マーシャル・ゴヴィンダン・サッチダナンダ
Marshall Govindan Satchidananda
マーシャル・ゴヴィンダン・サッチダナンダ(Marshall Govindan Satchidananda)は、ババジのクリヤー・ヨーガを世界各地に伝えてきたクリヤー・ヨーガの指導者、著述家、研究者です。現在はBabaji’s Kriya Yoga Order of Acharyas(ババジのクリヤー・ヨーガ・アチャリア協会)の代表を務め、クリヤー・ヨーガの実践指導とともに、タミル地方に伝わる18人のシッダたちのヨーガ哲学・文献の研究、翻訳、出版にも長年取り組んでいます。
1969年から始まったクリヤー・ヨーガの道
ゴヴィンダンは1969年からクリヤー・ヨーガの実践を開始しました。1970年にはジョージタウン大学外交学部を卒業し、その後、ヨーギー S.A.A.ラマイヤ(Yogi S.A.A. Ramaiah)のもとで本格的にクリヤー・ヨーガを学びます。
ラマイヤは、クリヤー・ヨーガの源流に位置づけられるヒマラヤの聖者ババジ・ナガラジの弟子として知られています。ゴヴィンダンは約18年間にわたりラマイヤのもとで学び、そのうち5年間をインドで過ごして集中的な修行を行いました。この期間、1日平均8時間のクリヤーヨーガの実践を続けました。1981年には、スリランカの海辺にて1年間の沈黙の行(タパス)を独りで完遂しています。また、ラマイヤによる世界各地の活動を支え、23のクリヤー・ヨーガセンターの設立にも携わりました。
インド滞在中にはタミル語を学び、南インドに古くから伝わるタミル・ヨーガ・シッダの教えについて研究を深めました。1980年には、18人のシッダの一人として知られるボーガナータル(Boganathar)の文献収集と出版にも協力しています。
ババジのクリヤー・ヨーガを世界へ
ババジのクリヤー・ヨーガ公式プロフィールによれば、ゴヴィンダンは1988年、長年にわたる修行と準備を経て、クリヤー・ヨーガを他者に伝える活動を始めました。
1989年以降、世界20か国以上で集中セミナーやリトリートを開催し、12,000人以上にババジのクリヤー・ヨーガを伝授しました。
1992年には、カナダ・ケベック州サン・テティエンヌ・ド・ボルトンにBabaji’s Kriya Yoga Ashramを設立。さらに1997年には、クリヤー・ヨーガを世界各地で伝える教師たちによる非営利組織Babaji’s Kriya Yoga Order of Acharyasを設立しました。現在、その活動は北米、ヨーロッパ、インドをはじめ世界各地へと広がっています。
18人のシッダの叡智を現代へ
ゴヴィンダンの活動における大きな特徴の一つが、タミル・ヨーガ・シッダの文献研究と出版です。
2000年からは研究者チームを組織し、南インドに残されてきた古代のヤシの葉写本などをもとに、18人のシッダに関する文献の保存、転写、翻訳、注釈、出版を進めてきました。
その代表的な成果の一つが、タミルの偉大な聖者ティルムーラル(Tirumular)による『ティルマンディラム(Tirumandiram)』の英訳・研究です。ヨーガ研究者ゲオルグ・フォイヤーシュタインも、この大規模な出版プロジェクトを高く評価しています。
著述家としての活動
1991年には代表作となる
『Babaji and the 18 Siddha Kriya Yoga Tradition(ババジと18人のシッダのクリヤー・ヨーガの伝統)』
を出版しました。この書籍は現在、多言語に翻訳され、ババジとシッダの伝統を紹介する重要な文献の一つとなっています。
そのほかにも、
『Kriya Yoga Sutras of Patanjali and the Siddhas』
『The Wisdom of Jesus and the Yoga Siddhas』
『Kriya Yoga Insights Along the Path』
『Babaji’s Kriya Hatha Yoga: 18 Postures』
など、クリヤー・ヨーガ、パタンジャリ、シッダ哲学、ヨーガとキリスト教神秘思想などを扱った多数の著作があります。
ヨーガへの長年の貢献
ゴヴィンダンは、クリヤー・ヨーガの実践を伝えるだけではなく、古代インドのヨーガ文献を現代に伝える研究・出版活動にも力を注いできました。
2008年にはヨーガ界への貢献を評価され「Yoga Acharya」の称号を受け、2014年には国際ヨーガ連盟関係団体からPatanjali Awardを授与されています。
半世紀以上にわたる実践、指導、研究、出版活動を通して、マーシャル・ゴヴィンダン・サッチダナンダは、ババジのクリヤー・ヨーガと南インドのシッダの伝統を現代世界へと橋渡ししてきた人物です。
その活動は、クリヤー・ヨーガを単なる身体技法としてではなく、呼吸法、瞑想、マントラ、自己探求を含む総合的なヨーガの道として伝え、その源流にあるシッダたちの叡智を次世代へ受け継いでいくことに向けられています。
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